陶 子 抄

2009/06/05

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陶 子 抄

 

遠い記憶をさかのぼれば、その日は朝から霏々として雪が舞っていました。
姉が信仰する教会にふと足がむいたとき、壇上に灯る一基の燭台、
それはこの世のものとも思えないほどの、美しい印象として私の心を直撃しました。
私が現在作品群の中に殊更深く灯にこだわるのは、その雪の日のはるかな郷愁が
沸々として心の扉をたたいたからだと思っています。

三人の貴婦人がすっくと立つ如き洋式の燭台やキャンドルスタンドが陶器でできないものか、
いや、この細い曲線がまともな形を維持して窯の高熱に耐えられるはずがない、しかしやってみたい。

三十年余の職を辞したとき、私は迷うことなく姫神焼工房の菅原氏の門をたたきました。
試行錯誤の失敗を積み重ねながら、7年 遂に完成し、前人未到の分野として高く評価され、
芸術祭にて入選を果たしたとき、それを境として陶工としての足がかりを作ったと思っています。

その後、透かし彫りにも挑戦し、藤の花房や、紅梅の雪洞、陶板浮世絵、香炉、花器、菓子器、
おしぼり入れ、スプーン立て、コーヒー茶碗、箸置き、酒器、雛人形まで、オリジナル作品として、
自然の風物をあしらった独特なものとして、手にとれば、ほのぼのと物語をつむぎだしてゆくような
夢をもってくれる作品にこだわりました。

もしも、、皆様のお手もとにご縁を賜りましたなら、何とぞ温かいまなざしをもちまして、
座右にご愛用くださいますなら、誠にありがたく存知あげます。

姫神焼 工房  皆川 禮子
 

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最終更新日 : 2009/06/05

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